カテゴリー「映画/マ行」の記事

無防備都市

Roma_citta_aperta


ROMA, CITTA APERTA

【1945年製作 イタリア】(105min )
監督:ロベルト・ロッセリーニ
出演:アルド・ファブリッツィ、アンナ・マニャーニ、マルチェロ・パリエーロ、マリア・ミーキ

ロッセリーニ監督の「戦争三部作」。第2次世界大戦末期のローマ。レジスタンスの指導者マンフレディは、恋人の女優との写真からゲシュタポに正体を知られてしまい、同志の印刷工フランチェスコの部屋に逃げこむ。彼は翌日に未亡人ピナとの結婚を控えていた。神父ドン・ピエトロも彼らに協力した。結婚式当日、ゲシュタポがフランチェスコのアパートを包囲。フランチェスコは逮捕され、彼を追ったピナは射殺されてしまう…。若きフェデリコ・フェリーニが脚本で参加している。

※ネタバレあり

あのイングリッド・バーグマンがこの映画を観て感銘を受け、当時ハリウッドで成功を収めていた彼女だったが、既に夫と娘がいる身でありながらイタリアのロッセリーニ監督の許に走ったという話はもはや伝説のようになっていて、この映画を語る際、このエピソードは切っても切れない話のようだ。

そんなエピソードがあってもなくても・・・非常に興味深く観れた。

イタリアも枢軸国ながら同盟国であったドイツに占領されていたという暗い背景があり、また解放されたとはいえこの映画が作られた1945年は日本も終戦を迎えた年で、イタリアもまた世の中が混沌としていた時期だっただろう。

この映画は戦時下のリアリズムを追求しつつも非常にドラマチックな人間ドラマだと思う。
ドイツに対抗するレジスタンスの闘いが作品の根底にあるわけだが、闘いの内容そのものよりもその中で見えてくる登場人物たちの様々な苦悩や葛藤が伺える。


マンフレディの仲間でレジスタンスの一員である印刷工フランチェスコの婚約者で未亡人のピナは生きるためにパン屋を襲撃している。信仰心の厚い彼女は自分の罪を悔いて神父に懺悔し許しを乞う。けれど占領しているドイツ兵の姿を見るや否や、「あの連中を見ると張り倒したいです」と自分の気持ちを正直にぶつける気丈な女性だ。


結婚式当日フランチェスコはドイツ兵に連行され、その姿を追ったピナは自分の息子マルチェロの目前でドイツ兵に銃殺されてしまう。


マンフレディの恋人マリナが、ゲシュタポの隊長ベルグマンの恋人と思われるイングリッドという女性に情報を漏らしたことで、マンフレディや協力者のピエトロ神父などが捕まってしまう。
マリナの台詞に「人生なんて汚いものよ。貧乏したら悲惨よ」とあるが、家具や服や麻薬と引き換えに、自分の魂を売った女。愚かで可哀想な女だ。


フランチェスコもピナも、決して争いごとを望んでいたわけではない。
彼らは「未来に希望の自由がある」と信じていたのだから。

戦争自体が悪であり、とても悲惨だ。

はっきり言えるのは、そこに住むローマの人々の生活が脅かされ続けていたという事実だ。
ドイツの監視化にあって、決して彼らに自由はない。

そして、解放直後の混乱の時期だからこそ、このような映画が作られたのではないかと思った。
戦争が引き起こした悲惨な過去の出来事として、終わらせないために。


「正義と自由のために戦う者を信じる。それが神の道だからだ」と言うピエトロ神父の言葉通り、ゲシュタポの凄惨な拷問に遭いながら最後まで口を割ることなく絶命したマンフレディ。

自分たちは“支配民族であるドイツ人”と言い切るゲシュタポの隊長ベルグマン。

そんなベルグマンの意見に背くように「この戦争は憎悪を産む。憎悪に囲まれて希望はない」と言うドイツ人将校。

「死ぬのは難しくない。生きるのが難しい」と言って銃殺刑にされたピエトロ神父。

神父の最期を見届けた子供たち・・・

子供たちががっくりと肩を落としながら神父が処刑された場所から去って行くラストシーンは、とても切なく辛い気持ちになるが、若い彼らが大人になって“同じ悲劇が起きないように”“イタリア人としての誇りを忘れてはならない”というロッセリーニ監督の想いと希望が込められているような気がした。





banner_03
  

↑ランキングに参加していますnote

| | コメント (2) | トラックバック (0)

マーラー

Mahler


MAHLER

【1974年製作 イギリス】( 115min )
監督:ケン・ラッセル
出演:ロバート・パウエル、ジョージナ・ヘイル、リー・モンタギュー、リチャード・モーラント、ロザリー・クラッチェリー

大作曲家マーラーの人生を描いた伝記映画。1911年。グスタフ・マーラーは妻アルマと共に列車でウィーンに向かう。交響曲第10番の完成も間近だったが・・・

※ネタバレあり

人によって好みの分かれそうな映画にはなりそうだが(過剰な演出等)この作品を滑稽で下品ととるか、シュールな芸術作品ととるかは、人それぞれの判断に委ねられるのだろう。

過剰で且つ大胆に描くことによって、逆にマーラーという人物がより理解しやすい気がする。
幼少時代から青年期、晩年の“今”まさしく列車でウィーンへ向かっている・・・ひとりの偉大な作曲家として等身大のマーラーを理解することができるのではないかと思う。

たとえば、静寂を好むグスタフ・マーラーは、妻アルマに鳥の囀り(さえずり)や、教会の鐘の音、村人たちの音楽とダンス・・・全ての音という音を止めさせるようにと命令するシーンがある。アルマは彼のためにせっせと野原を駆けずり回ってそれらを実行するのだ。過剰な表現だが思わず微笑んでしまうそんなシーンだ。

他にもコジマ・ワーグナー(作曲家ワーグナーの2番目の妻)からの勧めで、ユダヤ教からキリスト教への改宗を迫られるシーン。ハーケンクロイツ(卐)を振り回し、後のユダヤ人迫害のナチスを思わせるようなちょっと過激な演出。
バックミュージックには勿論ここでもマーラーの曲が流れ続けているわけだが、曲の盛り上がりと相まってユニークな演出だったように思う。ちょっと恐ろしいけど(笑)

終盤。病気が思いのほか重いということを悟らずにアルマとよりを戻したグスタフの笑顔が印象的。事実はどうあれ、この終わり方は好きだ。

冒頭の駅でマーラーが少年を眺めるシーンは、勿論ヴィスコンティの「ベニスに死す」を意識したんだろうな。


余談だけれど・・・

他の映画だけど・・・

マーラーの音楽が効果的に使われている映画として・・・

「ベニスに死す」は無視できない。

ラストに流れるマーラーの交響曲第5番第4楽章。人生の終焉を飾るに相応しい美しくも素晴らしい曲。
映像の少年は「ベニスに死す」で中年の作曲家アッシェンバッハが夢中になる少年タジオを演じていたビョルン・アンドレセン。

Mahler Symphony No.5 Adagietto / Björn Andrésen (Death in Venice - 1971)


どうよ。この世の者とも思えぬ美しさ・・・lovely



banner_03
  

↑ランキングに参加していますnote

| | コメント (3) | トラックバック (0)

ミスト

The_mist THE MIST

【2007年製作 アメリカ】( 125min )
監督:フランク・ダラボン
出演:トーマス・ジェーン、マーシャ・ゲイ・ハーデン、ローリー・ホールデン


 
メイン州の田舎町を突然の嵐が襲う。翌日湖の向こう側から“霧”が発生する。実はこの“霧”こそが住民を恐怖へと導く存在だったのだが・・・。巨匠スティーブン・キング原作を映画化


『神殿は神の栄光と力による煙で満たされ 7人の天使の7つの災いが終わるまで誰も 神殿に入れなかった』
─黙示録─第15章


アメリカのどこにでもあるような小さな田舎町。
嵐の翌日、日常の生活を営んでいた住民たちの元へ、突然得たいの知れない不気味な“霧”が忍び寄る。
買い物客で賑わうスーパーマーケットの店内。
そこへ突然飛び込んで来た男性の一言。「霧の中に何かが!」
この出来事は単なるこの映画の序章に過ぎない・・・

人は互いの生活を脅かす存在でなければ、喩え相手の人間が自分とは違う考え方や価値観の持ち主だったとしても、それだけで相手を傷つけたり排除しようとは普通はしないものだろう。最低限人間として生まれたからには・・・
ところが最悪の状況下に置かれると、人間という生き物は、何と醜く残酷になれるものなのだろう。

この映画の“霧”に至っては、自然災害によるものであるとか人偽的なものなのかなどということは、正直なところその真偽すらどうでもよくなってくる。
霧の中から突然襲ってくる触手を持った得たいの知れない生き物や、現実には考えられないような異常に大きな昆虫・・・
そんな者に出会ったら・・・この世の終わりを誰でも多かれ少なかれ感じることだろう。

「ひとたび闇の中に置かれ恐怖を抱く人は無法状態になる。粗暴で原始的」

という言葉に最初は否定していた人間も、己の信念を貫くことができず、結局はその言葉の意味を理解することとなる。

神しか信じない人間。

この映画の信奉者は、人間が災いをもたらすと本気で考えている。神の怒りに触れたのだと─。
そう断言する彼女の考え方自体本末転倒で危険だろうが、少なくともこの映画の中では、非常に説得力を持ち、人間が生き残るためには最後には神を信じるしかないと思い込む人たちがいてもおかしくはない。
まさしく“神のみぞ知る”だ。

この映画が本当に救われないと思ったのは、やはりラストのシーンだろう。

人は己の信念を貫けば道は開けると─。
最愛の者を命懸けで守り続ければ最終的に物事は良い方向に向かうものなのだと─。

そのエンディングを観る前までの私の考えを真っ向から否定するようなこの映画の、原作にはない最悪のエンディング。


ここまで絶望感と終末感を味わえる映画はそう多くはないだろうな。

 



Aigafuru_banner
   
  
↑映画の支援・ご協力をよろしくお願いしますshine


banner_03
  

↑ランキングに参加していますnote

| | コメント (3) | トラックバック (0)

魔術師

Noimage_6 ANSIKRET

【1958年製作 スウェーデン】( 99min )

監督:イングマール・ベルイマン
出演:マックス・フォン・シドー、イングリット・チューリン、ビビ・アンデション

 
馬車で旅する魔術師一座が見知らぬ瀕死の男を拾い馬車に乗せるが、途中で死んでしまう…
到着後、警察に強制的に連行され、座長の魔術を疑われ、改めて“町の権力者たち”に魔術を見せる約束をさせられるのだが…


この映画は不思議な映画だった。
シリアスな映画だと思っていたら突然コミカルになったり、サスペンスやオカルトっぽい雰囲気もある。
摑み所がない感じだ。
ベルイマン監督の作品といえば個人的にというか、やはり一般的にも「野いちご」が代表作として挙げられるだろうが、よく思い出してみればあの映画は本当にいい映画だった。
(履歴に載せてはいない。随分昔に観たのを忘れていた^^;)

この「魔術師」という映画はその「野いちご」の翌年に作られた映画らしい。

この映画を語ろうとするとき、「○○映画の○○のシーンはこの映画へのオマージュ」だとかそういうことは一切考えない、気づかなかったとしても、映画の冒頭からモノクロの美しい映像の数々にはハッと目を見張るものがある。
実は私はこれを最初録画しながら流して観ていた。その時はさして内容に集中はしていなかったので理解するまでは至らなかったが、とりあえず映像美と人物の表情というか役者の“顔”に魅せられた。
カメラの角度がいい。
流石はベルイマン監督。彼の感性のなせる業なのだろうが。

主演のマックス・フォン・シドー。
映画の中では“魔術師”の役で、付髭にカツラを被り…顔付きもそうだが雰囲気も十分にミステリアスな魔術師。
“口がきけない”役であったし、特に彼が演じることで更にミステリアスさが増したかもしれない。
その魔術師ヴォーグレルが旅先で今にも死にそうな役者崩れの男と出会ったことによりひと騒動起こる。
私はこの瀕死の男が言う台詞に、この映画のからくりが隠されているような気がしてならない。

瀕死の男は確かに酒に溺れて今にも死にそうな状況下に追い込まれてはいたが、この世の究極な対極である生と死─。彼はそれら両方を見据えていた。
魔術師の男もまた“詐欺師”と蔑まされる日々に対しいろんな思いを馳せていたに違いない。
科学的根拠のないものは一切排除する姿勢を崩さない医者や権力を翳す警察署長、娘を失い失意の底にいる領事とその妻、領事館の使用人たち…魔術師一座などの個性豊かな登場人物たち。
ここに登場するものそれら全てが実に“対照的すぎる”のだ。

一座の老婆。実は魔術師の祖母だったらしいが彼女は終始本物の魔女っぽい存在だった。
“良薬は口に苦し”といいながら、胡散臭い薬を作っては売っている。
媚薬。
彼女によると人間は愛をお金で買うものらしい。
見たものは見た─。知るものは知った─。

 


banner_03
  

↑ランキングに参加しています よろしければお願いします♪

| | コメント (2) | トラックバック (0)

マーサ・スチュワート 裁かれたカリスマ〈TVM〉

MARTHA:BEHIND BARS

【2005年製作 アメリカ】( 89min )

監督:エリック・ブロス
出演:シビル・シェパード、サビーン・シング、ゲイル・ハロルド

知る人ぞ知るマーサ・スチュワート。日本でもかなり有名なので少なくとも名前くらいは知っているという人も多いだろう。

彼女の呼ばれ方は一般的には「カリスマ主婦」。

映画とは関係ないことだけれど、実は何を隠そう私自身も一時期“マーサ漬け”だったことがある。逮捕以前ここ数年前までは彼女の番組をCSなどで日本でも毎日のように観ることができた。世の中カリスマ主婦って呼ばれている人が何人いるか知らないが、彼女こそカリスマ主婦だと思う。チープなものやありふれた材料を使ったとしても、料理をはじめ彼女が手を加えた物や彼女が言ったこと、行ったこと、それら全てが不思議と洗練されたものに見えてくるのだ。彼女はただの主婦じゃなくってやっぱり“カリスマ”だ。(勿論テレビ上で知る限りだけど)

映画はどこまで脚色されているかは知らないがドキュメンタリータッチで描かれている。
順風満不帆に見えたはずの彼女の人生に転機が訪れる。
とある製薬会社の株取引に対する疑惑。
彼女はインサイダー取引で疑われてしまったのだ。

映画の中ではマーサをシビル・シェパードがかなり忠実に演じているのではないかなと思う。
髪型などもそうだが、彼女の低い声や喋り方なんて本当に彼女にそっくりなのだ。
映画の中に出てくる彼女は本物のマーサに近いのか!?だとすれば、最初私はこの映画の中のマーサは正直嫌な女に見えてしょうがなかった。

それは私が思うに彼女があまりにも完璧すぎるから。
ビジネスはビジネスと割り切る姿勢も。
マーサは番組の中では庶民的な主婦の代表の顔をしつつ、中身は何事にも妥協を許さない徹底したビジネスマンなのだ。

何事も完璧でないと気がすまないのは、既に他界している彼女の父親が彼女自身に大きく影響を及ぼしているっていうのも映画の中で分かる。

インサイダー疑惑の報道後でさえも彼女は「今まで通りよい仕事をし、自分の人生を歩き続けます」とハッキリ言える強さがある。

彼女が4つの容疑で結局刑務所に行くことになった背景にはいろいろあったということが分かる。
(これは日本の某テレビでも特集でやってた記憶があるが)
彼女は無実を主張していたが有罪判決が出て裁判が長引くことを何よりも恐れた。
ビジネスに影響が出るから、何よりも先ず仕事を優先に考えたのだ。

マーサの人間性にちょっと疑問を持ち始めたところで、映画の場面は刑務所内へ。
ここで初めて“人間マーサ・スチュワート”を見た気がする。彼女と他の囚人たちの関係が興味深かった。やはり彼女はどこへ行っても“カリスマ”なのだ。お皿やコップの置き方、ナイフとフォークをきっちり拭いて、椅子を正して...囚人たちが彼女の真似をするシーンがあるのだが、それがとても微笑ましく面白かった。看守は最後の最後までただの無愛想な看守だったが、囚人たちを、刑務所という異質な空間の雰囲気を和ませたのは間違いなくマーサだ。

─刑務所に入った偉人もいるわ。ネルソン・マンデラなんて27年間よ。

マーサという人は本当にタフな女性なのだ。


banner_03
 
人気映画・TVBLOG

↑クリック よろしければお願いします♪

| | コメント (2) | トラックバック (0)

マニアック2000〔旧題 2000人の狂人〕

Two_thousand_maniacs


TWO THOUSAND MANIACS!

【1964年製作 アメリカ】( 88min )

監督:ハーシェル・ゴードン・ルイス
出演:コニー・メイソン、トーマス・ウッド、ジェフリー・アレン、ボン・ムーア

 
H・G・ルイスの最高傑作!・・・とうちのりざぶぅが言ってます(笑)
なので私も今回観てみることになった訳ですが。
実は私はこの監督の映画今回観るの初めてなので比較評価は出来かねますが、いやホントなかなか面白かったです^^
(最もこの方の映画は日本では未公開作品ばかりなので観る機会がなかなかないっていうのもありますが...「血の祝祭日」は確か別の映画のDVDの特典映像にちょこっとだけ紹介などが入ってました)

ひとことでいうと、ホラー映画にあるべき姿がこの映画に凝縮されている!って感じがします。

「2000って何が2000なんだろう?」ってタイトルから想像してまして、実際観て後から「あ~この町の住人の数か」って納得したんですが、DVDのタイトルよりもその前の「2000人の狂人」のタイトルの方が実際合ってます。

この町の町長さんはじめスゴイキレっぷり・・・最初の犠牲者となるブロンドの女性が指や腕を・・・のシーンはホントにただただビックリ、あんぐりって感じです。それそのものの行為が云々とかじゃあないんです。最近の映画の方が画像だって綺麗だしもっとリアルに作られているからそういう意味の怖さとかじゃなくって、そのシーンのシチュエーションで「次いきなりそーくるか?」という・・・展開の早さに度肝を抜かれた映画でもありました。
しかも笑いながらあんなことやこんなこと...怖い~~~(笑)

近年数あるホラー映画らに間違いなく多大な影響を与えているバイブル的な映画だろうと思います。
 
 

 
 
banner_03
 
人気映画・TVBLOG

↑クリック よろしければお願いで~す。(^^)

| | コメント (5) | トラックバック (1)

マイノリティリポート

ホラーしか観ない夫と勘違いされては困るので・・・
これもかなり前にパチ屋でDVDゲットして未見だった映画。

「マイノリテキリポート」
監督:スティーブン・スピルバーグ
原作;フィリップ・K・ディック

西暦2054年のワシントンDC。司法省のエリート班、犯罪予防局が設置されたから6年、殺人事件はゼロ。犯罪件数も90%減少という成果が出ていた。それは未来を透視できる3人の予知能力者に予知された”未来”の殺人の光景を、犯罪予防局が分析・判定し、事件が起こる前に”犯人”を逮捕し・・・・

原作は約80ページの中篇。実は私、ディックの大ファンなんでありまして、「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」が映画化される時は狂喜したもんです。今回、スピルバーグがディックに挑戦するとあっては、不安より期待の方が大きかったわけです。
で、結論。巷の評判より悪くないですよー。もともとディックの扱っている題材(初期~中期)は、どうしても矛盾が生じてしまいがちで、それぞれの解釈によって映像での表現に好みがでるのは仕方のないところ。それに今回のネタは、題材は物凄くスケールがでかいのに、それに絡む人間のスケールが小さいこと・・・。そこが気に入らない人は全くダメでしょうね。勿論、私もアラ探しすればひどいとこが多かったんですが、そこは娯楽作品、最後のワンシーンでちょっと感動させられるとこも含めて、十分及第点以上だと思います。ただ、やっぱディックのファンじゃないとだめかなあ・・・。
ディックの映画化では「スクリーマーズ」ってホラーSF色の濃い地味な作品が大好きなんですが、今度「暗闇のスキャナー」が映画化されたらしい。これは楽しみ♪

私SFは絶対苦手なんです・・・って方。「地図にない町」(ハヤカワミステリ文庫)を一度ご覧になって下さい。短編集で読みやすいし、ディックの入門書みたいな感じです。題材もSF主体じゃないし・・・文芸作品ですよ。

さて、「マイノリティ・リポート」の役者ですが、コリン・ファレル、マックス・フォン・シドー等、渋い役者がいい味だしてます。あれ?主人公は誰だっけ(爆)。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

マーダー・ライド・ショー

かなり前に通販でDVDを購入しましたが、未見だった
「マーダー・ライド・ショー」
原題:HOUSE OF 1000 CORPSES
監督:ロブ・ゾンビ(知る人ぞ知るね・・・)
をようやく拝見。
昔、カミングスーンTVのベストヒットUSAで全米9位
にランキングされてたけど、これも未公開で終わる
(諸事情により画像は紹介できません、だったし)
のかと思ってましたが、こんなタイトルで公開とは!

内容は省略(いいかげんですみません)。
雰囲気は「悪魔のいけにえ」+「ロッキーホラーショー」
+「ファンハウス」+etc...
つまり70年代ホラーへのオマージュってやつですね。
猟奇+おバカ。女&子供は絶対観てはいけません。
かなり本気で作ってます。シド・ヘイグとカレン・ブラック
を起用していることからも明らか。
鑑賞するなら醒めた眼で観てはいけません。
ワーワー、キャーキャー言いながら観ましょう(爆)。
シェリ・ムーン(ロブ・ゾンビ)の笑い声がかなり印象的
で、あちらでは声のファンクラブらしきものもあるそうな。
続編も作られて、そちらもヒット!賞にもノミネートされて
いるようです。うーん、風土が違うなあ。
さて、日本では公開されるかな?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

マルホランド・ドライブ

Mulholland_drive


MULHOLLAND DRIVE

【2001年製作 アメリカ】( 146min )

監督:デヴィッド・リンチ
出演:ナオミ・ワッツ、ローラ・E・ハリング、ジャスティン・セロウ

 
リンチの映画はいつも大抵難解な映画だろうと思いながら観てるから、今回も構えて観てました。
そして、この映画は途中までは淡々と進行していくので、「あれ?今回のリンチは普通のサスペンス映画?」って途中までは確かにそう思っていましたが、終盤残り30,40分になり、またしても今回もヤラレてしまったか…というのが正直な感想です(笑)

この摩訶不思議リンチワールドに関しては、世間ではいつも賛否両論になるようですが、個人的にはリンチは結構好きな方(だと思う)。かといって特別ファンという訳ではないです。念のため。
彼の映画ではイレイザーヘッドこれワイルド・アット・ハートなどがまぁ好み。
(りざぶぅはロスト・ハイウェイが気に入って結局DVD買っちゃってるし)
ブルーベルベットは実は個人的にはあんまり好きじゃない…。ファンの方ごめんちゃいね。

さてさて、マルホランド・ドライブ
内容云々はともかくとして、リンチ世界を十分堪能できます。
この監督。やっぱり「間」の取り方が上手い!シーンごとの余韻(?)の残し方というか…。
両主演の女優陣の存在感は○。
ナオミ・ワッツ21gよりこっちのが断然好き。ホンマ上手い女優さん。
(映画とは全く関係ないけど、昔日本の雑誌OLIVEでモデルもやってたことあるんだって!知ってました?^^)
ローラ・E・ハリングのどこか妖艶な感じも○。
で、この映画は現実と夢が交差するお話だけど、どこまで現実で…っていうのは、個々の解釈で別にいいんでないの。
みんないろいろ考えて、いろんな解釈があって…それを狙っているある意味「確信犯」的映画なのではないのかなぁ。
確かに難解なパズルを解くみたいな映画だけど、雰囲気を楽しめればOKなのでは?こういう映画が好き♪っていう人は絶対にいるんだから…。

私自身はというと、終盤はナオミにかなり感情移入しちゃってましたねぇ。(´ヘ`;)
何だかとっても切ない…。悲しいオンナの性を感じずにはいられない。
けれど正直なところ1回ではよく分からない部分も多々あることは確かです。
なので、もう1回観てみようと思うのだけれど、期間を空けたら多分駄目よね~この映画^^;

【追記】
それと、ひとことお詫び。m(_ _)m
ジョーのアパート(爆)の感想じゃなくってごめんちゃいね~≧◇≦アハッ 次は書くよん♪



 
 
banner_03
 
人気映画・TVBLOG

↑クリック よろしければお願いで~す。(^^)

| | コメント (2) | トラックバック (0)

モロッコ

Morocco
MOROCCO

【1930年製作 アメリカ】( 92min )

監督:ジョセフ・フォン・スタンバーグ
出演:ゲイリー・クーパー、マレーネ・ディートリッヒ、アドルフ・マンジュー
 

子供たちの大声を側で聞きながら書く感想ではないような…^^;
しかし子供っていうのはなんて元気なんだ~いつもながらそのパワーに圧倒されっぱなしだわん(ひとり言)。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

家の棚の中でずっと埃かぶっていたDVD。「モロッコ」。
映画ってタイトルだけはよく知っているのに実際観てないな…っていう作品も多くて、この作品もそのひとつ。

マレーネ・ディートリッヒがハリウッドに移ってからの記念すべき第1作目。
古いモノクロの映像。外人部隊と舞台芸人の恋愛物語。
恋愛映画は数多くあるけれど、“恋の駆け引き”のお手本になるような大人のための映画。

※ネタバレ※

この酒場で男装して歌うアミー(ディートリッヒ)が実に良い。とにかくクールなのだ。
ちょっとした仕草も、観客に投げかける視線も、今観ても全然色褪せた感じはなく実に心地よい。
観客とのやりとりがまた絶妙。
この時初めて出会う外人部隊のトム(クーパー)とのやりとりも本当に面白い。
彼女は彼に対して一目で魅かれたに違いないのだが、そんなそぶりを全くみせないところがいい。
「お釣りよ」といってトムに手渡すシーンがあるのだけれど、そこで何と彼女はお釣りではなく自分の家の鍵を渡すのだ。
いきなり出会ったばかりの初対面の男に鍵を渡す女性などいる?
ここで…私だったら…とか考えない方がいいに違いない(笑)

で、このトムは上官の妻とも通じているのだが、本気で女を好きにはならないらしい…少なくともアミーに出会うまでは。
彼にとってはいつもただの火遊び。所謂不倫をしてたりするわけなんだけれど、ハンサムなトムに他の女達もみんな夢中になる…。
そんな中でアミーは簡単にはなびかないの。だから男の方も彼女に魅かれたのかもしれないけど。

トムがアミーの家に行き、中ではアミーが当然いるのだけれど、彼女の第一声が「あらアナタが来たの」。
彼女の本心は恐らく「あら~来てくれたのね~嬉しいわ」なんだろうけど(笑)そんな表情は見せないの。(ったく素直じゃないなぁ^^;なんてね)
トムに突然キスをされて明らかに動揺するアミー。その後も…
「もう帰って。あなたを好きになりそうだから…」(・・・ってもう好きじゃんというツッコミは措いといて)

アミーがモロッコに来た頃からずっと彼女に思いを寄せているひとりのパトロンの男。
彼の存在もこの映画には重要な役どころ。
所謂三角関係というか…大方金持ちの男と金はないがハンサムな男っていうのは対になって登場してくるのが映画だったりする。

女は最初この“金のないハンサムな男”について行こうとするんだけど、逆に男の方が鏡に口紅で“I changed my mind”(気が変わった)と書いて去ってしまう…カックイイ男がやるとホントに絵になるもんだ(笑)当時流行したらしいね…このシーン。

で、このまま金持ちの男と結婚するのか?と思うんだけれど…ここから先は詳しくはやめておこう。

ラストシーン。
砂漠の中にハイヒールを脱ぎ捨てて去っていく彼女の後姿…う~ん。見惚れてしまう。ずっとワンカットで撮られているんだけど、これが映画というものだ!と思わず唸ってしまうシーンです。

鍛えた女性の肉体は綺麗だわ(*^-^*)


banner_03
 
人気映画・TVBLOG

↑よろしかったら、ランキングにご協力を!

| | コメント (7) | トラックバック (0)