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大人は判ってくれない

Les_quatre_cents_coups
LES QUATRE CENTS COUPS

【1959年製作 フランス】( 102min )
監督:フランソワ・トリュフォー
出演:ジャン=ピエール・レオー、アルベール・レミ、クレール・モーリエ

12才のアントワーヌは勉強ができなくて先生に叱られてばかり。家に帰れば子供に無関心な両親から冷たくされる。そんな息苦しい毎日を過ごしていた。
弱冠26才の若きトリュフォーの記念すべき長編第一作。不良少年だったトリュフォー自身の自伝的作品。


子供は子供らしくしなさいとか・・・昨今いろんなところでこのように言われてるんではないか。

大人は判ってくれない。

上手い邦題だなと、最初このタイトルを見てそう思った。
原題は「400回の殴打」という意味らしいが、「大人は判ってくれない」の方がしっくりくる感じがする。
“大人たちって全然子供の気持ちを理解してない”“子供の言葉に全く聞く耳を持たない”etc
この映画を子供時代にもしも観ていたら私の感想もちょっと変わったのかもしれないが、ひと言で言うと大体こんな感じだ。

例えば、子供がちょっと大胆な行動に出るとすると、大人っていうのはここぞとばかりに「大人の権力」というものを振り翳し、「お前は間違っている。大人の言うとおりにすればいいんだ」と、子供に対し酷い言葉を浴びせることもある。大人たちは自分たちが世の中のモラルだと言わんばかりにだ。私も娘がいるので多かれ少なかれ、例えばイライラしている時はヒステリックになって同じようなことを言っているんだろう。本当に嘆かわしい。ごめんよ。

映画の中では、大人たちが極端に描かれていた。
ワンマン過ぎる教師。今だったら考えられないような暴言の数々。「ここ(学校の中)では、私が法律だ。私に従わないのなら、出て行け!」「おまえは頭が悪い。何やってもダメだ」etc少年アントワーヌでなくとも、私でも猛烈に頭にきた。
アントワーヌの両親も同じ。後で母の連れ子だと知って納得した箇所もあるが、それでも少なくとも母親にとってアントワーヌは血を分けた息子。「なんで私のことが憎いのかしら」なんて、どの面下げて言ってるのか。途中愛情の押し売りみたいなシーンがあって、思わず顔が引きつってしまった。

結局アントワーヌは、学校や家に居場所がなくなって、終いにはタイプライターを盗み出し、返却したところを見つかり警察に連れて行かれ、少年鑑別所へ送られるのだが・・・。

トリュフォーの自伝的作品らしいが、彼自身も孤独な少年時代を送っていたようだ。

彼は映画に出会わなければ、彼自身どのような人生を送っていたんだろうか?と考える。
決して幸福ではなかった少年時代。トリュフォーの特に人物に対する観察眼は、映画の中でアントワーヌを見ればいかに優れていたのかがよく分かる。

それと、子供は大人の所有物ではない。
世の中いろんな家族がいて、親子がいるけれど、私が思うに、親にとっては自分の子供でも、己の分身なんかじゃあない。勿論血を分けた子供は確かに自分の分身・・・に近い存在であっても、彼らは歴とした個の人格を持った立派なひとりの人間であって、分身じゃないと私は思う。
考え方、嗜好etcが似てるところはあっても、全く同じではないのだから。

この映画に出てくる大人たちって・・・なんというか、かなり格好悪い。滑稽だ。
勿論時代背景なども今とは違っているから一概には言えないけれど、この映画をいい教訓として、私自身「こんな大人にはなりたくない」─と願う。

 


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映画/ア行」カテゴリの記事

コメント

この内容は非常に私の胸にグサっと突き刺さるものが
ございます。
私達夫婦は400回とまでは行かないまでも自分たちの
思い通りに行かなかった時、子供に手をあげていました。
自分自身、当時の事を思い出す時「よくあれだけの
ひどい事ができたものだ…」と正直落ち込む事が多々
あります。今となってはいくら反省しても取り返しは
つきません。

正直ここまで人間が壊れるものだとは思いもしません
でしたから…

たった一度しかない人生、一度しかない青春時代を
私達のせいで彼から取り上げてしまいました。
私の青春時代は今も「楽しきもの」としてしっかり
頭に残っています。いい思い出です。一生の宝だと思います。
しかし彼にはその宝がありません。
申し訳ない事をしてしまいました。

いつもとは違う私をお見せしてしまいましたが
りざさんのトコもご家族仲良く一丸となって日々を
お過ごしください。

私も既に遅し…ですがしっかり前を向いて家族団結で
頑張っていきますんで。
しみったれたコメントで申し訳ございませんでした。

投稿: 子育て失格者 | 2009/03/19 21:06

稚拙な私の映画記事に丁寧なコメントをどうも有難うございます^^
それに何か「貴女何様?」的な文章で逆に申し訳なかったですsweat01

先ず。貴方様は決して子育て失格者ではないですよ!
私断言しますっscissors
だって貴方の日記には、息子さんへの想いを淡々と綴られているじゃないですか。少なくともあの部分を読んで私は「いいお父さんだなぁ」って思いましたhappy01

↑の映画の中に出てくる大人たちとは雲泥の差があります。もし未見でしたら一度ご覧になって下さい。私の言葉の意味がよくお分かりになるかと思います。

それに子育てはまだ終わったわけではなくこれからも続くんでしょ?(^∇^)これからが本当の意味での試金石になるかと。大変でしょうが頑張って下さいませ。

そういう私はといえば、決して人様から褒められた母親ではないと自覚していますsweat01
時にヒステリックだし、逆に娘の方が中身は大人なんじゃないかと思うこと多々ありです(^^;
叱り方。難しいですよね。私自分でいつも後悔してばっかりですsweat02「あの時こんな風に怒ってはいけなかった」「あんな言い方しなければよかった」っていつも思っています。

叱るより褒めようって育児の本などでも見かけますが、現実はそう簡単にはいかないです。まぁうちの場合はこれからが本当に大変なんでしょう。娘の人間関係に関してもこれからが本当に大変なんだろうなって。ただ親はあくまでもサポート役にしか過ぎません。彼女の人生は最終的には彼女自身で切り開いていくもの。

息子さんはまだまだ若いから大丈夫happy01時既に遅しなんてことは絶対ありません!気付いた時から一歩一歩前進していけばよいのだから。彼自身人より先に人生経験を積んだと思って、これから起こるであろうステキな未来に向かって大きく羽ばたいてほしいなって思います^^

投稿: りざふぃ | 2009/03/19 22:19

ありがとうございます。
今日はマリカする予定です(爆)

投稿: Remy | 2009/03/19 22:50

>先輩
お早うございます。今日は5時起床です。
なんて健康的なんだ!・・・違う気がするw

自分、この映画は主張する年齢で観てまして、
(年齢バレバレですなw)
逆の立場の現在、再度観たら印象違うんだろうな・・・

ん?マリカする?じゃあ今から繋ぐね。

投稿: りざ夫@ここは何処?状態 | 2009/03/20 05:58

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あこがれ・大人は判ってくれない〔フランソワ・トリュフォー監督傑作選1〕ポニーキャニオン 1959フランス 監督・制作・脚本:フランソワ・トリュフォー 音楽:ジャン・コンスタンタン 出演:ジャン=ピエール・レオー他 このところ映画づいているのは、某TSU○AYAの半額クーポンのせいです。  素行の悪いアントワーヌ・ドワネル君13歳。  学友達も素行はみんな悪いんだけど、なぜだかドワネル君、不運だったり不器用だったりで  なんか目立ってしまう。  ある日学校をサボってしまうが、それが運の尽き?  と... [続きを読む]

受信: 2009/03/19 21:28

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