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秘密と嘘

Secrets_lies SECRETS & LIES

【1996年製作 イギリス】( 142min )
監督:マイク・リー
出演:ブレンダ・ブレシン、ティモシー・スポール、フィリス・ローガン


娘と2人暮らしの白人の中年女性シンシア。ある時シンシアの娘だと名乗る若い女性ホーテンスが連絡をしてきた。ところが待ち合わせ場所にいたのは自分と肌の色の違う黒人の若い女性だった。シンシア自身肌の色が違う“娘”と名乗る女性を自分は母親ではないと一旦は否定したのだが・・・


※ネタバレあり


この映画の主人公シンシアはロンドン郊外に住む普通の中年女性でシングルマザー。
年頃の娘ロクサンヌ、姉想いのシンシアの弟、その妻など、彼女の周囲では悩みを抱えていたり、それぞれに葛藤がある。
ただ人は平凡とはいえ何かしら常に問題や悩みを抱えていたりするのは特別変わったことではないだろう。
そうやって人は生き続ける存在なのだ。

ある日ひとりの若い黒人女性ホーテンスが、シンシアに向かって自分はあなたの娘だと告げにやってくる。
白人のシンシアには似ても似つかないと思われるホーテンスだったが、彼女には16の時に子供を産み落とした経験があり、ホーテンスが自分の実の娘だと直ぐに気づく。
肌の違いはあっても、ホーテンスは間違いなくシンシアの娘だと彼女自身感じるのであった。
衝撃的な事実に最初は愕然とするものの、ホーテンスに対して次第に母親の顔に戻っていくシンシア。

一方でホーテンスの異父姉妹にあたるロクサンヌは勿論その事実を知る由もない。
大学へは戻らず、日々母親のシンシアに対して不満を募らせている。
娘から浴びせられる言葉。年頃の娘を持つと「あんなものか・・・」と分かるような気もするが、ホーテンスに出会ったシンシアは、自分をわざわざ捜し出し、会いたかったと素直な感情を出してくれるホーテンスに対し、いつしかより強い母親の感情が芽生え始める・・・

映画の終盤は圧巻。
元々“脚本”を書かず、役者と話し合って即興で作られたこの作品に対するリー監督の想いというものが見えたような気がするし、何より脚本らしいものが存在しないことで、よりリアリティのあるドラマになったのではないかと思う。

ロクサンヌの誕生パーティの席で、シンシアが弟夫婦や娘などにホーテンスは実の娘だと告げた時、弟から真実を話すタイミングに気をつけろと言われ「じゃあどのタイミングならいいの?」と泣きながら言葉を返すシンシアの台詞には胸を打たれた。

実際にはこの映画のようには上手くいかない親子関係もあるだろうが─
真実とはいえ秘密を話すことは、自分の最も大切にしている人にとって、果たしてそれは最良な決断なのだろうか?
真実を追求する者もまた然り。
真実だと思っていたことが事実とは違うと知った時、もし私がロクサンヌの立場だったらどのように感じるだろうか。


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映画/ハ行」カテゴリの記事

コメント

りざふぃにしては、漸く観たんだね。

この映画は、忍耐・・・ひたすら忍耐だった。
普段なら、ぶっ飛ばして早送りするか、途中で投げ出すんだけど、
そう出来ない何かがあった。
ラスト観て、漸く、・・・というか、初めて観て良かったと思えた作品。
言い換えれば、映画って、最後までみなきゃワカランよなぁ・・・とつくづく。
そして、終り良ければすべて良し・・・とも(^-^;

りざふぃの観賞文、(この際、私の感想はおいておいて)
思いやりがあって優しいね(*^^*)

投稿: たんぽ子 | 2008/09/04 00:09

>たんぽ子たま

オヒサです~^^およそ1ヶ月ぶりでしょうか。
ご無沙汰してました。
あれから目の方は大丈夫ですか?
みなさんの日記覗きに行ってないので、ことめたんとかもつたんとかetcみなさんきっちり書いているの知ってるのに...本当にすみません^^;;
またお伺いさせて頂きますscissors

↑の映画は私にしては、そうですね~本当にようやく(?)でしょうか?(笑)
結構取りこぼしがありますね~。
でもチェックだけは前々から入ってました。
自分の観たい映画リストにhappy01
昨日たまたまシネフィルイマジカのchでこの映画をやっていて、よし今日こそは!と思い観てみたわけです。

まさしくたんぽ子たまがおっしゃるように、終盤がすごく良いと思います!
私も最初は途中でダレてしまう映画なのか...とちょっと疑って観ていましたが、次第に惹きこまれていきました...映画の世界に。

惹きこまれた理由は、多分シンシア役の女優さんの巧さもあるかもしれません。

時間を気にしないで観れる映画って最近はあんまり観てない気がします。この映画はその点では全く気になりませんでした。

私の感想は優しいですか?happy01
なんかたんぽ子たまからそんな言葉を頂けるとは思っていませんでした(笑)

人に対して優しくなれる...↑の感想もそうですが、もしちょっとでも優しさが滲み出ていたとしたら・・・そういう時は、ひょっとしたら自分自身に相手を思い遣る余裕(?)がある時なのかもしれません(*゚ー゚*)

投稿: りざふぃ | 2008/09/04 15:31

脚本無しの役者との話し合いで作られた映画とは思えないようなクオリティの高さのようですね。
まだ観てないですが興味が沸きました~
後半に向けての盛り上がりのために前半
抑え目に淡々とといったところでしょうか?
深いヒューマンドラマは最後まで気合いれて
観なくてはいけませんね!^^

投稿: カルド | 2008/09/04 21:06

これは、どんな映画だろ~と、興味は持ってたけど、まだ観てませんslate
りざふぃが書くと、観たくなるのは、何でだろ~eye
映画評論家に向いてるんじゃないのぅ?w

投稿: けろこ | 2008/09/05 08:01

>カルドたま

はじめにscissors
昨夜は早々にチャットから抜けてしまいまして...大変失礼しましたsweat01どうしても昨晩は抜けなくてはいけない所用があったもので。

この映画はクオリティが高いというか、先ず役者の演技がみな水準以上です。(役者の演技。当たり前のことのようで中には素人目にも酷い場合がありますから(^^;)
特別凝った演出はないです~地味に淡々と作られたそんな映画です。
もし観る機会に恵まれましたら、一度は観てみるのもいいかもしれません。いわゆるミニシアター系映画なのでレンタル屋ではどうでしょう?

また女性と男性。年齢層によって多少感想が違ってくるかもしれませんね^^


>けろこたま

お!けろこたまがご覧になられてないとは・・・何とも珍しいsmile
たんぽ子たまがご覧になられていたので、一緒に(?)観たのかと思ってました(笑)

↑のようにお褒めのお言葉有難うございます!!
けろこたまのような方にそう言って頂けるとは、本当に光栄ですhappy01

私はみなに観てほしいという映画もそうですが、時にクダラナイ映画もまた楽しという理由から(?)このブログにホント自分勝手で手前味噌的な(あら?自画自賛w)映画感想をツラツラっと書いてます^^

文章がもうちょっと上手ければ、良い映画はもっと良い映画かな?って思ってもらえるんでしょうが、そこが残念といえば残念です(^^;

投稿: りざふぃ | 2008/09/05 19:03

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