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犯罪者の心理

秋葉原で起きた通り魔事件は本当に惨い事件だった・・・
あの後何度となくテレビのニュースやワイドショーなどでこの事件のことをやっているけれども、どうやっても今はこの大罪を犯した青年の心理までは伺い知ることはできない。

「死ぬまでひとり」「全てが嫌になった」など、携帯サイトに書き込みをしていたようだが、彼は何故これほどまでに「社会からの疎外感」を人一倍感じていたんだろう・・・私なりに考えてみたけれどやっぱりよく分からないところがある。

彼の凶行により結果7人が亡くなるという惨事。しかも短時間の中で起きた。

この事件で私は1938年に岡山県で起きた「津山30人殺し」を思い出した。
有名な「八つ墓村」のモデルとなった事件である。
日本、いや恐らく世界でも類を見ない犯罪史上最も陰惨な事件である。
「津山事件」に関しては、故・松本清張氏の「ミステリーの系譜」が詳しい。

この中に「闇に駆ける猟銃」という話がある。これが「津山事件」だが、架空の小説ではなくノンフィクションである。推理的観点から外れて完全にノンフィションとして書かれた作品としても興味深い。

ご存知ない方のために、「津山事件」とは昭和13年に岡山県津山地方の静かな農村地帯で起った、文字通りひとりの青年がひと晩で30人を殺した事件─である。

“背景が平凡であればあるほど物語の悲惨は劇的となってくる”と氏も書いているが、正に今回の秋葉原の事件もそうではなかったか。
勿論被害者の関係者にしてみればそんなことは関係なく、犯人の青年に対しては憎しみが募るばかりで、今も現実を受け入れられないに違いない。本当に気の毒だと思う。今はただ不幸にも被害に遭われた方々の冥福を祈ることしかできない。

話を「闇に駆ける猟銃」に戻すが、この「津山事件」が起きた時の日本は日中戦争の最中で混沌とした世の中だった。この事件がその当時大きく記事にならなかったのは、そういう理由もあるのではと氏も書いている。
またこの孤立した山間の環境の中で起きた事件は、ある意味特殊な出来事だったのかもしれない。
故に今回の秋葉原で起きた事件と比べるのはおかしいことなのかもしれない。

ただ、青年の人間像が浮かび上がってくるにつれ、「津山」と「秋葉原」は類似性があるような気がしてならない。

「津山」の青年、都井睦雄は、幼い頃両親と死別(共に結核で亡くなっている)。祖母の手によって姉と共に育てられた。
睦雄は小学校時代は成績優秀で学校では級長も務めるほどだったが、休みがちな子だったようだ。休みが多かったのは祖母が睦雄を可愛がりすぎてのことである。ちょっとでも風邪を引こうものなら学校へは行かせず、頭痛持ちというのも祖母のついた嘘だった。
学校のお勉強はできるが顔の青白い子供。それが睦雄の周囲からの印象だったらしい。

高等小学校へ進み級長より上の総長に選ばれなかったことについて、氏はこう書いている。
“総長になれなかったのを残念がった睦雄である。自分より成績の悪かった同級生たちが家庭の裕福なために中学校に進学したのをみて、やはり平気ではいられなかったに違いない”

子供の頃から体が弱かったのは事実としても、睦雄が百姓の仕事をやらなかったのは身体的に決定的な欠陥があった訳ではなく、単に彼自身がやりたくなかったからである。

中学への進学を断念後、教員の資格をとるための勉強も所詮は長続きせず、百姓の仕事もやりもせず、夜這いに耽り、ついには、人から蔑まされていると自ら思い込むという、逆恨み以外の何物でもない。

睦雄と秋葉原の犯人に共通しているのは、被害者意識がとにかく強いということ。
身勝手な発想かもしれないが、2人共もしもこのままずっと優越感に浸っていられたなら、ひょっとしたらこんな事件を引き起こすことなどなかったのかもしれない。

この「津山事件」の裁判医が著書の中で興味深いことを述べている。

『主観的にみても、この犯行が必ずしも精神病者的犯行とは考えられない。彼は明らかに変質者であったのだ。さらに肝要な素材は気象である。すなわち、とかく晩春から初夏にかけてこういう変質的素質の持ち主には精神的症状が著しく現れるものである。私の長い経験からすれば、1年のうち殺伐な事件が多く起るのは12月と1月及び5、6、7月のこの2つの波がある』

私はこの記述を読んで思わず頷いてしまったのだが─。


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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

「津山事件」か、この種の事件、過去にもいくつかあったのかもね、昔は現代のように通信も発達してなかったし、隠れたままのものもあったかもね。

昔、といってもそんな昔じゃないけど、「異邦人」って映画あったんやけど、カミュって仏の高名な作家の作品だよね、多分りざふぃだったら知ってると思うけど。
この中で出てくる主人公が殺人を犯した動機が「太陽が光ったから」とか言ってるのを観て、メチャクチャな話やなと思っていたけど、今回とか最近の事件を見ていると、納得してしまう。
人間ってある意味、心の弱い危険な哺乳類かもと思ってしまうよ。

投稿: スナミシチー | 2008/06/10 23:17

りざふぃ、巧い引用(事件)を持って書いてるね。さすが!感心!

↑、スナッチ!
ワダスもそれを思い出してた。「太陽が光ったから」
(眩しかった、暑かった・・・かと、勘違いはあったけんど(≧ー≦))

しかし、何が怖いかって、コレが、あっという間に、過去の出来事になることやね。
ついこのあいだの、池袋の事件(友人が巻き込まれたので)も、遠い過去になってもうてる。。。。。

忘れちゃなんねぇだ!

投稿: たんぽ子 | 2008/06/10 23:41

>スナミたま

ホントですよねぇ。昔はテレビなんてなかったし「津山」のように凄惨な事件でも大きく取り上げられないケースもあったかもしれませんねぇ><
「ミステリーの系譜」には他に2編収められていて、これまたなかなか強烈な内容です^^;カニバリズムものとか・・・機会があればまたご紹介しようと思ってます。
(まぁフツーの人はあんまり知りたくない内容かも^^;)

カミュの「異邦人」。私これ読んだことないなぁ…
勿論タイトルは有名なんで知ってますが、映画も観たことないです^^;
なるほど~機会があれば観てみたいな。
カミュといえば、日本で活躍しているセイン・カミュ。
彼の大叔父(大伯父?)らしいですねhappy01


>たんぽ子たま

今回の事件を知って真っ先に浮かんだのがこの「津山事件」でした。
他にはバージニア工科大学で起きた銃乱射事件なども浮かびましたが、「津山」に関しては↑のように読んだことがあったので、たまたまですが勝手に引用しちゃいました^^;

殺人動機。殺人者にしか分からない心理・・・
でもみんな短絡的っていうか、身勝手な動機ですよね!
そんなんで巻き込まれた被害者は本当に死んでも死にきれませんよねっweep
この手の事件で被害に遭われた方は本当に可哀想としか言いようがありません・・・

そうそう!ホントにそうです!!
殺人者はきっといつどこにでも現れる・・・これはしょーがないことなんでしょうが、決して過去の事件を風化させてはならないと私も思いますscissors戦争にも同じことが言えますが。

ところでeyeホント大事にして下さいねsign04

投稿: りざふぃ | 2008/06/11 11:08

よくご存知ですね、そのような事件があったことを!

りざふぃさんの仰るとおり・・・身近に潜んでいるかもしれませんね、危険がshock

怖い事です

投稿: ほり | 2008/06/11 17:02

>ほりたま

いえいえ、この事件って一部のマニア(何の?(笑))には有名な話かもしれんです。
これだけ大量殺戮が行われた場所だから・・・当然○○も出る?みたいな^^;

↑に挙げた話をコミックにしたのが、えっと…ブログの最後にamazonのリンク載せましたが、漫画家山岸涼子先生の「神かくし」の中にある「負の暗示」です。
この漫画もかなり凄い作品なので機会があればお読み下さいまし(^^)

いやホント。凄いひどい事件でしたよね。
日曜の歩行者天国を狙っての犯行なんて・・・身内じゃなくっても許せません!
普通はある程度計画してたとしてもどこかで思いとどまりそうですが・・・犯罪者の心の内は全然理解できません。

投稿: りざふぃ | 2008/06/11 20:28

世の中おかしいですね・・

怖いです・・

誰にも相談ができなかったんでしょうね・・

投稿: buru | 2008/06/11 23:13

>buruたま

今ちょっと寝ぼけてます(?)自分の名前のところにburuさんっていれようとしちゃった≧◇≦
(私・・・大丈夫か?)

何べん考えてもよくわからない本当にある意味不可解な事件ですよね。
buruさんがおっしゃるように世の中、社会がヘンな方向に向かっちゃっているんじゃないかと思います。

本当に誰にも相談できなかったんでしょうか。
本人が思い込んでいるだけで周囲で誰か相談してくれてもいいのになぁ位は思っている人いたんではないのかなぁ…
サイトの書き込みに没頭しすぎておかしくなってしまったのかな?

どちらにしても亡くなられた方は本当に可哀想です。ご遺族の方も・・・合掌。

投稿: りざふぃ | 2008/06/12 01:51

太陽が光ったから・・・そこに山があったから・・・(関係ないw)
そこに人が居ったから・・・
そんなことで、殺されてちゃ、たまらんですsweat01
なんの繋がりもない善意の人が殺されるって、他人事じゃないねぇ
いつ自分や、自分の家族が巻き込まれるか分からんのは、もの凄い恐怖sweat01
アメリカじゃ、プロファイリングすると大量殺人するのは、白人の若い男・・・って出てるけど、
日本の場合も、若い男・・・多いかもですshadow
平和な日本は、どこへ行ったんだcrying

投稿: けろこ | 2008/06/12 18:00

>けろこたま

レス遅うなってすんませんsweat01
この時期はPTA関連が忙しくって。勿論それだけじゃないですが(?笑)
このアキバの事件とっても怖かったんですけど、この後大きな地震があったので世間の注目はそっちにいったのか!?と朝の報道を観て思ってしまいました。
勿論あんな強烈な事件忘れようったって忘れられませんが…
この間の女性がバラバラにされた事件なども、みな忘れてはいないんだろうけど過去の事件になっている・・・
↑でたんぽ子たまがおっしゃるように「忘れてはいけないんだ」とつくづく思った次第なのでしたthink

そうそうscissors私も昔よくFBIの犯罪心理ものの本とかよく読みました~
アメリカでは、若い白人男性で・・・小さい頃に親からの虐待を受けてて…etc勿論一概にはいえないですが、凶悪な犯罪者のパターン(?)があるみたいですね。
じいちゃんになって大量殺人・・・う~ん、映画の中でも確かになさそうです。

そういやつい一昨日「ヒッチャー」のリメイク版をやっとこさ観ました。感想はまた明日~(こればっか≧◇≦)

投稿: りざふぃ | 2008/06/17 00:47

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