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散るぞ悲しき

この夏娘の夏休みに帰省した際、実家の父親が珍しく読書に耽っていた。
何を読んでいるんだろう?と思っていたら「硫黄島からの手紙」と「散るぞ悲しき」だった。
近所のショッピングモール内に映画館が出来たとかで母曰く“父親は足繁く映画館通い”をしているらしいが、勿論「父親たちの星条旗」と「硫黄島からの手紙」は観たと言っていた。「硫黄島からの手紙」に至っては何と2回も観たと。なるほど。父らしいなぁと思わずニンマリしてしまった(笑)
 

Chiruzo_kanashiki_2

 
『散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官・栗林忠道』

梯久美子 著
 
 

「散るぞ悲しき」
これら映画でも記憶に新しい“硫黄島”のノンフィクションだ。

栗林忠道中将。正確には最後の最後には大将まで昇進した方だが、その事実を知らずに本人はこの世を去った…

「硫黄島からの手紙」の映画の中でも本文の中でもそうだが、栗林忠道という人は物事を“進歩的”に考える、軍国主義の時代にあって非常に珍しい人物だったということがよく分かる。
そして忘れてならないのは、彼は非常に家族想いだったということ。
彼の頭の中にはいつなん時でも家族が第一にあって、たとえそれが戦渦の真っ只中にあった厳しい「硫黄島」での戦いの最中でも、それらは何ら変わることはなかった。
彼が家族に宛てた手紙は、涙なくては語れないくらい本当に胸を打たれる。
そして彼自身の人間性が滲み出ていて素晴らしい。

硫黄島で米軍との戦いがより厳しくなった中でも彼の手紙の内容は家族の心配ばかりだ。
「お勝手の床下の隙間風が防げたか?」とか末娘のたか子宛てには「たこちゃん、この間産まれたヒヨコは4羽でした」なんてことを書いている。改めて凄い人だったな思う。


*******************************************************


この「散るぞ悲しき」は、戦争の悲惨さを浮き彫りにしたというだけではなく、栗林忠道という彼本来の人間性に重点を置き描かれている。戦略の巧みさなど軍人としても非常に優れていた彼の生き様は最期まで見事だった。故に彼が最後に残した訣別の文章は辛く悲しい。


国の為重きつとめを果し得で 
         矢弾尽き果て散るぞ悲しき

仇討たで野辺には朽ちじ吾は又 
         七度生まれて矛を執らむぞ

醜草の島に蔓るその時の
         皇国の行手一途に思ふ

 
 


 
 
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書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

最近の政治家の言動を見ると・・・
危険な匂いを感じるのは、私だけでしょうか?

投稿: ほり | 2007/09/10 20:04

映画「硫黄島からの手紙」は、訳あって飛ばし観しましたw
栗林中将は、アメリカにも居たことがあって、進歩的な考えを持ってたんだろうねぇ・・・
こんな戦争の中にも、お国のためより、家族を思う気持ちが溢れた手紙を残した彼は、アメリカ人に共感されたのかもね。
父親達の星条旗と、この映画が二部作だったけど、父親達は、鳴かず飛ばずだったね。
父親達・・・のオマケ映画とみる人も多いけど、イーストウッドは、どちらもA面(ふるw)扱いで、撮りたかったんじゃないでしょか。
でも、それ故に、アカデミー賞作品賞も監督賞も逃してしまったんだろうなぁ・・・

投稿: keroko | 2007/09/10 21:18

最近の憲法改正方向で進もうとしている政治家を
「きな臭い」「軍国主義」とよむ人も多いようで、
このような映画を見るとほんとに怖くなります。

うちにも、男の子がいるし、ダーリンだって
まだまだ、もしもの時には戦争に取られそうな
年頃だし・・・(>_<)

あんなムゴい戦争は絶対に嫌です!!!

でも、それはともかく、

ホントにそうなのか・・・軍国主義に
走ろうとしているのか・・・それについては、
個人的には???です。

例えば、そこを変えなければ、今にでもテポドンが
飛んできたって、自分の国を守れない。

かといって、じゃあどこまでが守りで、どこからが
攻めになるのか?そこが難しい。

果たして、武器を持ってうちに入り込んできた強盗に
平和主義だからといって、無抵抗でいられるのか?

そう考えると、頭の中は???で一杯になります(-_-;)

投稿: オレさん | 2007/09/10 21:33

>ほりたま

ホントそうですよね~><
最近テレビなどを観ていると、政治家たちの発言の中で気になることが多々あります。
戦後62年経って風化の一途を辿っている感じがしないでもないですねぇ…
今一度みんなで真剣に考える時間が必要かもしれません。
一体何のために日本でもあんなに沢山の戦争映画やドラマが作られたのか…意義がなくなりそうですよね。
はっきり言ってしまっていいですか?
今の日本の政治家ってバ○ばかりじゃん!(怒)


>kerokoたま

(うーん、ローマ字にすると何か新鮮ですね(笑))

最近ブログもお休みがちだったし映画のことなどちっとも書いてなかったけど「父親たち~」と「硫黄島から~」は両方ほぼ同時に観ました。
予め栗林中将についての予備知識があったのですんなり観ることができました。(勿論彼だけの話ではないですけど^^;)

日本側、アメリカ側。それぞれの戦争─。
結局のところ勝っても負けても、戦争っていうのは皆を不幸にさせたり、苦しめたり…
本当に嘆かわしいことです。

映画は正直どちらも重かったのですが…イーストウッドは良い監督だと思いますが…確かにけろこたまがおっしゃるように両方A面にしたかったのかもしれないですよね。いっぺんにあれもこれも…メッセージで伝えたかったことが沢山ありすぎて…みたいな(^^;
この夏は戦争モノの映画をCSで沢山やってたの録画しちゃったのでまた近々いろいろ観てみようかなと思っています~


>オレさん

「憲法改正」。ホント難しい問題ですよね><
憲法自体もそうですが…とりあえず私はやっぱり日本にはこれからも「非核三原則」は徹底して欲しいなと思います。
たとえ近隣諸国の中で日本を脅かす国があったとしても…
今度「核」を使うような戦争が世界的規模で起きたら間違いなく、日本はおろか地球全体が壊滅してしまうでしょう。
世の中から核なんてなくなればいいなと本当にそう思います。

では、どうしたら?この世の中から廃絶できるのか?をいろんな国でこれからもずっと真剣に考えていけなければならないんじゃないかなぁと思うんですがねぇ…

暴力をもって他の人や国を支配しようとする輩がいる限り、やっぱり武器には武器をもって…になってしまうんだろうか?
いつの時代にも戦争というのはありましたしねぇ…
人間がいる限り戦いはなくならないものなのでしょうかね。
はぁ~><

投稿: りざふぃ | 2007/09/11 00:22

個人的な意見でスンマッソン。

核も、武器も、そして、勿論、戦争も、
断じて根絶しなくてはならない。

例え、それで、国が滅びようとも。

戦争で得るものは何もない。
失うものの方が、多すぎる。

勝てば、負ける国がある。
その国にも、人間は生きている。そして、無残にも、大事な命が失われていく・・・。

戦争で得るものは、何もない。

♪。.::。.::・’゚☆。.::・’゚♪。.::。.::・’゚☆。.::・’゚

何や、窮屈な話になったねえσ(^◇^;)
ゴメリンコ


投稿: たんぽ子 | 2007/09/11 03:01

>たんぽ子たま

おはようございます(^^)…って真夜中のカキコ?(汗)
お体大丈夫ですか?それが心配です~
あ、気持ちが昂って眠れないとか?興奮しすぎで(笑)
勿論いい意味のですよん(^-^)

戦争の傷跡は…何年経っても残っていますもんね。
戦争を直接知らない私たちでさえ、例えば広島の原爆ドームなど見せ付けられると、ハッとさせられます。
核は怖いです…武器で戦うのはイヤです…犠牲になる子どもや女性も気の毒です…etc 尽きることはありません><

↑の本の中でも、例えば映画でもそうだったんですが、ほんの一部の頭でっかちで、己のことしか考えない輩がいるからこういう悲惨な状況を招いてしまうんじゃないかと。

大馬鹿者につける薬はありませんっ(きっぱり)

投稿: りざふぃ | 2007/09/11 09:22

りざふぃさんの「非核三原則」には激しく賛成!!

「私は持たない」「なら私も」とみんなが
同時に足並み揃えて核廃棄できれば良いのですけどね。

将軍様のような国が、できそこないの核兵器を
持ったまま崩壊して、そこからとんでもない人へ
(アルカイダとか!?)
核が散っていってしまったらと思うと、恐ろしい!!

それが怖いからと、アメリカも中国も、あの国を
腫れ物を扱うようにするのでしょうが、なんか
悪化している気がする・・・。

投稿: オレさん | 2007/09/11 23:11

>オレさん

どもまたまたコメント有難うございます(^^)♪

“核”といえば平和的に利用されるならまだしも…
(発電とか)それでも原子力発電所はこの間の地震であんなことになってしまったし、普段は大丈夫(例えば火力発電などに比べると環境的にいい)と思っていてもいざダメージを受けると…それこそ取り返しのつかないことになりますよね!

ウランだのプルトニウムだの…私には今ひとつちんぷんかんぷんなのですが(^^;要はせめてこの「核の元」が軍事的に利用されなきゃいいなぁと思うわけです。最低限それだけは守ってほしいなぁ…

日本政府もうちょっと他国にビシっと言ってほしいですよね~(しっかり)
こんな小さな島国。
核が舞ったらそれだけでOUTですよね(涙)。

関係ないですが…この間浜松から豊橋間を車で走ってて思ったのですが…
遠州のあの辺りは風が非常に強い地域なので、風力発電所をいっぱい造ったらええのに~原子力発電所ではリスクがかなりあるので、と思いました。

予算(場所も)…かな?(^^;

投稿: りざふぃ | 2007/09/12 10:31

夏に会った時に、この本持ってたよね。
先日私も「硫黄島からの手紙」をレンタルしたのよ。
しかし、音が割れて聴き取りにくくてね。
それに、重い戦争映画はもう観たくないな…
本で読む方が、私には入り込みやすいです。
普通の人の、何気ない日常の、平凡で平和な暮らしを壊す権利など、誰にも無い!です。

投稿: すみれ子 | 2007/09/13 01:27

>すみれ子たま

そうです~そうです~あの時私電車の中で(久喜までの道中に)読もうと思って持参してたんです。けど…あの混雑ではとてもとても・・・(笑)

「硫黄島~」もC・イーストウッド監督なので完璧な日本映画じゃないんだけど、どうしても日本語映画って声が聞き取りづらいこと多々あります(ありすぎですっ)

例えば爆音とか効果音は非常に大きいのに、肝心な台詞が聞きづらい…
どうしてなのかしらん?((( T_T)

確かに重過ぎる…戦争映画。

戦争映画といえば、ロッセリーニ監督(イングリット・バーグマンがダンナと子どもを捨てて彼の元に走ったエピは有名ですね!)の三部作(?)も録画しました。以前より観たかった作品です♪
「無防備都市」「戦火のかなた」「ドイツ零年」

でもキツイ…やろか><

投稿: りざふぃ | 2007/09/13 10:12

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