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生きる

Ikiru 生きる

【1952年製作 日本】( 143min )

監督:黒澤明
出演:志村喬、日守新一、田中春男、小田切みき、千秋実

戦後間もない頃はまだ癌はやはり不治の病だったのだろう…
告知を受けたらまず助からないという時代。
この映画の主人公はもそうだ。彼は数十年もの間自分自身の生にあらたまって目を向けることはなかったように思う。
癌と告知されてから初めて「生きる」とは何かの意味を考え始めたのだ。
もしこの主人公の立場を自分に置き換えて考えてみるとしたら、果たして私だったら一体何をしようとするのか、何を真っ先に考えるのだろう…人生の終焉に─。

少なくともこの映画の主人公はいろんな葛藤さえあったけれど、ついにそれを見出した。
周囲には理解できないような神がかり的な行動力を見せ始めたのだ。
1日1日を大事に悔いなく生きようとするのは素晴らしいことだが、時には難しいことでもある。
自分ひとりの力ではどうにもならないことだってある。
彼は命を削ってまでそれをやり遂げた・・・。


****************************************************


2時間超の長い作品ながら全然飽きることがない。
無駄らしい無駄のないストーリー構成。分かりやすい人物の描かれ方。
話の内容もとてもシンプルで日常的なことを淡々と描いているだけなのに、本当に見所のある作品だと思う。
途中志村喬が「命短し、恋せよ乙女」と歌う辺りは本当に胸がつまる。

人間をよく観察していなければこんな映画は絶対にできないと思う。
黒澤監督の映画に対する拘りをこれまで自分が観た7作品どれにも共通して感じる取ることができる。
最近某フランス映画を観て本当に気分が悪くなった旨のことを書いたが(実際かなり引きずっている…)、そんな思いを一掃させてしまうくらい黒澤監督のエネルギーを感じた。
監督は亡くなってもなお映画という媒体を通して今の時代の私たちに人間の素晴らしさを見せつけてくれる。

また話が元に戻りそうになってしまうが、映画というのは本来こうあるべきだと改めて感じた。

自らが「こっちは勝手に作ったから…後はみんなで考えてみて。どの意見もどこから観ても構わないし、誰がどう思おうがそれらは全部正しい・・・」のようなことをおっしゃる某監督さんの作る映画なんて本当に観たくもない。



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映画/ア行」カテゴリの記事

コメント

なつかしい映画ですね。
といっても見た事があるわけではありません。
大昔の学生の頃アルバイトでエキストラをしていて、
この映画に通行人で出ました。
ギャラは1日で3000円ぐらいだったと思います。

投稿: おそまつ | 2007/05/11 20:07

全然関係ないけど(汗)『品物が山となると、病になって癌になる。』って昔言われたことがある。

投稿: もつ | 2007/05/11 22:41

黒澤映画は、私ほとんど観てないと思う。
でも、若い頃、職場の同じ部屋の男性が黒澤ファンで、本を貸してくれたの。
それは、黒澤映画の解説の本。
だから、「生きる」は知ってます。
その人、熱く語ってたっけ、志村喬の歌のとことか…
そろそろ、ちゃんと観ておこうかな。

投稿: すみれ子 | 2007/05/12 00:16

みなさま、こんばんは(^^)

>おそまつたま

度々コメントありがとです♪
ん?ん?エキストラ???
この映画のですか!?
でもこれ製作年月日1952年ですよ~
あれ?プロフィールのおそまつさんの年齢は違うのかしらん?
それともこれと似た別な映画かもしれませんね…^^;

何はともあれ、エキストラで映画にご出演ですか(^^)♪
じゃあその映画観れば、おそまつさんのお顔が拝見できるのですね(笑)
乗馬もなさっているので、今度は是非馬に乗った役などで…なんちゃって^^;;


>もつたま

ひゃ~~~~怖い~~~~((((+_+))))ブルブル
でもグルメな人は結構短命だったり…とかしません?
あ、でも人によるよね(^^;
昔々、長寿日本一だった(いや…世界一?)故泉重千代さん。
あの方は確か酒もタバコもやる人だったような…
やっぱりストレスを溜めないのがいいのかもしれないなぁ…
でもそのことば。何となく分かるような気もするなぁ…
私も気をつけよ~っと。
あ、でも金目のものは全くないからぜんぜん大丈夫かも(笑)
突然だけど、彼女(?)には何を贈るン?(^0^)


>すみれ子たま

お~その方は本当に黒澤映画がお好きな方だったんですね(^^)♪
友達のダンナさんにもその方と同じような人です。
(ただでさえ黒澤映画高いのに…(^^;)DVDをboxで持ってる)

黒澤映画は特別コアなファン(?)が多くいる気はします。
私は全ての作品を観たわけじゃないので全然えらそうなことは言えませんが、確かに観た映画はどれをとっても甲乙つけがたかったです。
志村喬。
彼もまた所謂黒澤ファミリーというのかしらん。

「命短し~」と歌うシーンは本当に胸にグサっと突き刺さる感じがしましたよ。
死期を悟った人間ってすごいなぁって。勿論これは志村さんが役者として素晴らしかったからなんでしょうが…。
黒澤監督という人は役者の選び方から育て方、全てに於いてプロフェッショナルな人だったんだろうなぁって思います。
エキストラにも厳しかったって聞いたことありますから…。

私はこれから韓国映画(ドラマ)へ。
すみれ子たまは黒澤映画(?)(笑)になるかしらん(^^)♪

投稿: りざふぃ | 2007/05/12 00:50

ほんとうだ、1952年はさすがに生まれていない。
私の勘違いです。
というか、完璧な間違い、
その映画は「生きる」みたいな題名だったと思うのですが、監督は市川昆でした。

投稿: おそまつ | 2007/05/12 06:05

おそまつさま、市川昆の映画で、「生きる」という題名に似た映画は、ちょっと見当たりませんねぇ
新藤兼人監督の「生きたい」って題名の映画ならあります。
これは、観ましたが、三國連太郎って役者は、すごいです。
例の幻の映画も、実は、私が三國連太郎で行こうよ!!と推したんですが、年齢的に、ちょっと難有りで、諦めたという経緯が^^;;
黒澤も今さらですが、すごい監督だったよねぇ・・・
海外では、日本人で一番有名な人物・・・らしいですよ。

投稿: けろこ | 2007/05/12 08:49

>おそまつたま、けろこたま(まとめてレスすみません)

ふむふむ。で、結局映画は何だったのかしらん?
私は邦画は洋画に比べるとかなり疎いのでよく知りません…^^;

三國さんは凄みがありそうですね~
最近「息子さん」も雰囲気とか大分似てきたと思いませんか??
やっぱ親子なんだなぁ…
年齢かぁ…そういう壁もあるんですねぇ。
難しいそうですよね~役者選びも。

関係ないけど一昨日だっけ?今度は大島渚の映画を借りてきました(笑)昔のやつですが…これいつ観ようかな~?

日本映画にも昔の映画で沢山掘り出し物的作品はあるんだろうけどどれから観てよいか正直分かりません(笑)
小津監督の映画も観てみたいし。
鈴木清順監督のは家に結構VTRあるのでボチボチ観ようかなとは思ってます。
「ツィゴイネルワイゼン」以来観てないもので(これもすごい作品だったけど)

黒澤さんといえば、そうそう向こうの映画で「MIFUNE」って映画がありましたよね~?確か。中身は全然知らないんですが、やっぱり黒澤監督あっての三船敏郎だったんだろうなぁ…って今更ながら思います。

今の日本人で有名な人。
映画というよりジャパンはアニメ大国か!?
大友克洋なんて間違いなく海外でより評価が高そうな人だもんな。

投稿: りざふぃ | 2007/05/14 12:54

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