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赤ひげ

Akahige 赤ひげ

【1965年製作 日本】( 185min )

監督:黒澤明
出演:三船敏郎、加山雄三、山崎努、団令子、桑野みゆき

時は江戸時代。小石川養生所で通称"赤ひげ"と呼ばれる所長新出去定(三船敏郎)と青年医師保本登(加山雄三)の心の交流を描いた人間ドラマ。

「素晴らしい」のひとこと。
この映画についてこれ以上の言葉はいらないのではないか。何を言っても陳腐に思えてしまう。誰が何と言おうとこの映画は紛れもなく傑作。
3時間余りの長編作にも関わらず時間の長さを全く感じさせなかった。
人物が沢山出てくるが、みな個性的であり演出も昔の映画だということを忘れさせてしまう。
ちょっとオーバーなくらいの演出が私には丁度よい。

嫌々ながら養生所にやってきた青年医師保本を演じた若かりし頃の加山雄三は、若者特有のツッパった感じが出ていて良かったし、同じく養生所で働く半太夫(土屋嘉男)の生真面目さ、勿論保本を支える去定を演じる三船敏郎に関しては文句なくクールでカッコイイのだ。

保本の目線で描かれる養生所の患者たちには様々な人間ドラマがある。
去定先生通称"赤ひげ先生"。彼の台詞が粋だ。
赤ひげ先生の台詞が映画の中で息づいている。人情味溢れる彼の台詞は観る者の心を動かす。

いくつか印象に残っている台詞があるが、彼が医者としてだけでなく人間としていかに素晴らしい人物かが理解できるシーンでは私が好きな台詞がある。
養生所内で六助の余命が僅かだと分かってから去定保本に言う台詞。

『医者にはその経緯と病状は分かるし、生命力の強い個体には多少の助力をすることができる。だがそれだけのことだ。現在我々にできることは貧困と無知に対する戦いだ。それによって技術の不足を補う他はない─中略─しかし問題はもっと前にある。貧困と無知さえ何とかできれば病気の大半は起こらずに済むんだ』

また、
『人間の一生で臨終ほど荘厳なものはない』
この一語につきる。これが医者というものだと思わせる名台詞だ。

去定には他にも名台詞があるが、それらは時には笑いもあって、彼は医者としてだけでなく、人間的にも魅力的な人物だと感じることができる。

山崎努演じる佐八、桑野みゆきが演じるおなかの回想シーンも胸を打つ。
佐八が息を引き取る間際のシーンは涙なくては観れないし、香川京子演じる狂女や六助の娘おくに(根岸明美)も本当にいい味を出している。

また娼家の女主人(杉村春子)に引き取られ、虐げられてきた少女おとよは若かりし頃の二木てるみが演じていたのは後から知った。
大人になってからの彼女しか知らなかった私は、おとよを演じる彼女が衝撃的でさえあった。
それだけ二木てるみ演じるおとよは本当に素晴らしかった。
娼家から病気のため養生所に引き取られ保本に看病されるものの、度重なる虐めのせいで人間不信になっていたおとよが、次第に本来の人間性を取り戻す過程は本当に見事だと思う。
終盤。おとよと“小鼠”長次(頭師佳孝)。彼女らがいなければこんなに感動することはなかったかもしれない。
頭師佳孝の名子役ぶりも堪能した。

涙脆い私はこの映画を観ている最中にどれだけの涙を流したか分からない…



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コメント

ほぉ~~、そんなに良かったですか!
赤ひげの人間性が素晴らしそう~。
加山雄三も・・・ツッパリ役かぁ(笑)

涙、涙・・だったのね!
機会があれば、見てみたいな^^

投稿: ことめ | 2007/04/17 20:39

ぜんぜん、関係ないですが・・・赤ひげなので・・・

今日、聞いたお話・・・女風呂でのお話

最近の若い子は・・みんな隠さず・・・
浴槽に入っていると・・・ちょうど目線が「黒ひげ」に・・・

・・・・・・・・・・・おそまつでした

投稿: ほり | 2007/04/17 20:56

>ことめたん

あははは~(照)
自分でもちょっと上の文章硬すぎかな?って思うのだけれど、うん!傑作だと思う。
勿論みながみなそーって言う訳じゃないだろうけど…私は黒澤作品は殆ど観てないビギナーなので(^^;余計にそう思ったのかもしれない。
でもいい映画はやっぱりいいっ!時代や国に関係なく☆それだけは断言するじょ(^0^)
涙の量の多さは人と比べて多いのかも?ほら~私は動物ものと子どものにはホント弱いから≧◇≦
是非観る機会があったら観てねん(^-^)


>ほりたま

あははは~(笑)
ほりたまの、そーいうユニークな個性大好き♪
なるほど~“黒ひげ”ね!ぷぷ≧◇≦
ほりたまのコメント読んで思わず噴出しそうになっちゃいましたよん。
あ、メール読んだよ~
That's Ok!Take it easy!
お気楽に(^-^)
気軽に思いつくまま楽しいコメントまたお待ちしてま~す♪

投稿: りざふぃ | 2007/04/17 22:59

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