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蝶の舌

Butterfly_tongues

LA LENGUA DE LAS MARIPOSAS

【1999年製作 スペイン】( 95min )

監督:ホセ・ルイス・クエルダ
出演:フェルナンド・フェルナン・ゴメス、マヌエル・ロサノ、ウシア・ブランコ

※ネタバレ

この映画はファシズム派の反乱軍右派と人民戦線政府である反ファシズム派、互いの勢力が活発化し、まさに混乱の時代を生きた人々の映画であるが、ひとりの少年モンチョから見た家族や周囲の人々また少年を陰から優しく見守ってきた先生との交流などを中心に描かれている。

私はスペイン内戦のことは殆どよく知らなくて恥ずかしい限りだが、映画というのは時にして私たち映画を観る者に対し悲しい現実を突き付けるものだ。この映画も同じだろう。

どの子どもに対しても公平な態度で接するグレゴリオ先生。
彼のような人格者と呼ばれるような立派な先生でさえも、いとも簡単に「犯罪者」にされてしまうのが戦争であり、このような不条理で理屈などではとても割り切れない悲しみや辛さがあるのも戦争だ。
背景にあるものは何か?このような作品を観る度にいつも思ったり感じたりすることだ。
そして、必ずしも独裁者と呼ばれるような人が非人格者と言われているのかといえばそうでなかったりもする。
だから余計に切なく、やりきれない…。

人は何度もでも同じ過ちを犯すものだ。それは人間だからなのかもしれないが「人の心が地獄を作る。憎しみが地獄の元になる」は本当にそのとおりだと思う。

いつの時代でもどこででも、子どもというのは何と「純粋」な眼差しで物事を見るものなのか。
純粋な心を持ちながら一方では同時に残酷性も持ち合わせているのだということを悟らせる。
ただ事実をねじ曲げても家族に危険が及ばないようにと母親がとった態度については誰も責めることは出来ない。
少年が先生の姿を見つけて「アテオ(神を信じない人)、アカ」と叫ぶシーンは本当に辛くて涙が止まらなくなりそうだったが、最後の最後に叫んだ「蝶の舌…ティロノリンコ」。
このシーンだけは、モンチョ自身がグレゴリオ先生の人格や人間性を心から尊重したと解釈した。
苦悩の中に見えた一筋の光 ─。
ティロノリンコのように、好きな子に花を渡すあの美しいシーンが蘇ってきた。



 
 
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コメント

コレの鑑賞は書けない・・って言ってたのに、
お見事!!

いやいや、観眼の素晴らしさに改めて脱帽。
(観てもらえて嬉しいよ~(*^¬^*))

先日のもチャンと読ませてもらったよん。

あの映画は未見だけど、
「ミザリー」「ルームメート」を例えに出してあったから、凄く分かりやすかっただ(⌒ー⌒)

ココはワタポの参考図書館だね。
今後ともヨロピコね、精神的支柱係りさま(笑)

投稿: たんぽ子 | 2007/03/12 16:24

>たんぽ子たま

あははは。天邪鬼なもんで~書けないっていいながら書いちゃった≧◇≦(爆)

いろいろホンマに考えさせられることの多い映画でしたが、少年モンチョとグレゴリオ先生の関係が素敵♪兄のアンドレスも良かったなぁ…
中国人の女の人と結婚したいっていうところも、その後でまさかあのような女性が出現するなんて…上手くいえないけど「映画の軸」には直接は関係ないシーンっていうのかしらん。ええよね~♪ああいうさり気ないシーン(^^)
こっそりと見送る中国人の女の子が綺麗だった。
心に残るよね♪

グレゴリオ先生って本当にええ先生やぁ…誰にも優劣をつけることなく中立に・・・っていう姿勢はどんな先生にでも出来ることじゃあないよね。ましてやこの時代には…
モンチョが皆に紹介された1日目にお漏らしして、で結局翌日に皆に紹介する時も、初めて来たばかりの子みたいな紹介の仕方やったし…本当にいいと思いました(^^)

この映画って派手さはないけど、細部までとても丁寧に作られているなって気がしたのです。
スペインの内戦勃発直前(?)の時代だと思うんだけど、だからといって「暗い」イメージはなくって彼らの人間性っていうか…それぞれのキャラクターが見事に表現されているな~と思いました。

お~~~いつでも私めを~この係(爆)をお呼び下さいませ~女王様♪(?)(笑)

投稿: りざふぃ | 2007/03/12 17:39

凄いね!りざちゃん!

こうやって説明でけるなんて
なんて・・・賢くて頭がいいざんしょ(笑)

文章が書くのが好きなんだなぁと
伝わってきます。

投稿: ことめ | 2007/03/12 19:39

>ことめたん

あんや~~
全然そんなんじゃないのよん^^;テレッ
頭悪いから日々学ぶことばかりで…
今はいろんなことを吸収する時期?(^^)
いや・・・ホンマいうと若い頃あんまり勉強しなかったので、その反動が今きてます(笑)
なのに娘には「勉強しろ~」という親ここにアリ。
矛盾だらけや^^;
この映画じゃないけど、グレゴリオ先生見習わねば!(笑)

あ、スレには関係ないけど「ドリーム・ガールズ」見たのね~~~♪
やっぱ映画館で観ると迫力があったでしょうねぇ(^^)♪

投稿: りざふぃ | 2007/03/12 20:21

そうそう、この少年の黒く澄んだ瞳だから余計せつないんですよね。(笑い)
 ファシズムだろうがアカだろうが個人個人は善良な人たち。それが戦争という争いでいともたやすく、人々の心を地獄におとしめてしまう。
 「悪魔は存在するのではないですよ。天使の心がいともたやすく悪魔に変わるんですよ」
 こういったさりげないせりふが重いですね。最後の心をかきむしるようなメロディもよかったですね。
 それにしてもリザフィたま、解説文うまいうまいっしょ。腕をあげたね(笑い)

投稿: リボンちゃん | 2007/03/13 09:48

>リボンたま

本当にそうですよね~だから戦争とか民族同士の争いはいやです;_;
いつも犠牲になるのは弱い人たち…
女、子ども、年寄りなどなど。
「悪魔は元は天使だったのよ~でも悪いことをして神様に変えられてしまったの…」みたいな母親のお話もありましたね。
実際内戦があったわけですから、このような会話があちこちで囁かれていたんでしょうね。
本当にいろいろ考えさせられてしまいます+_+

え~!?ホントですか?腕上げたかな(笑)
でもお世辞でもそういってもらえると励みになります(^^)
ありがと~♪リボンたま。

投稿: りざふぃ | 2007/03/13 17:32

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Lengua de las mariposas, La(1999/スペイン) 【監督】ホセ・ルイス・クエルダ 【音楽】アレハンドロ・アメナーバル 【出演】フェルナンド・フェルナン・ゴメス/マヌエル・ロサノ/ウシア・ブランコ この作品にはやら... [続きを読む]

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