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ドゥ・ザ・ライト・シング

Do_the_right_thing DO THE RIGHT THING

【1989年製作 アメリカ】( 120min )

監督:スパイク・リー
出演:ダニー・アイエロ、スパイクーリー、ビル・ナン、ジョン・タトゥーロ


※ネタバレ※

NYのブルックリンのとある黒人街ベッドフォード・スタイヴェサント。
軽快な音楽をBGMに描かれたこの作品は、決して目に見えて有り余るほどの激しい「暴力」だけを描いた映画ではない。
ただし、アフリカ系の黒人以外にもイタリア系、ヒスパニック、コリアンなど、様々な人種が行きかうこの街で生活する彼らの背景にあるのはアメリカが抱えたとても複雑な人種問題という厚い壁だ。

街にある小さなラジオ局でDJをしている愛のダンディ、ラブ・ダンディ。
常にマルコムXとマーティン・ルーサー・キング牧師の写真を持ち活動しているスマイリー。
大きなラジカセを持ち歩きながら音楽を流し続けているラジオ・ラヒーム。
ピザ屋の店内に黒人の写真を貼れと激しく抗議するバギン・アウト。
飲んだくれで周囲からメイヤー(市長)と呼ばれる老人。
ピザ屋を営むイタリア系のサルとその息子たち、ピノ、ビト。
そこで配達のアルバイトをするが、いつも仕事が長続きしない主人公のムーキーなど、黒人の彼らがふつうにイタリア系白人のピザ屋でピザを食べ、コリアンの店でビールを買い、消火栓を使って水浴びをし、他愛のないお喋りに没頭し・・・

この映画の中で主人公のムーキー役を演じ自ら監督でもあるスパイク・リーが、彼の目から見た今のアメリカが落とした影を、とても緻密且つ冷静な目線で描いていると思う。

愛、平和だと強く言っていた男ラヒームは、ピザ屋のイタリア系の店主から注意されたラジカセの音を消す、消さないなどの“些細”な問題から発展したケンカが元で、止めに入った白人警察官の一人によって殺されてしまう…
ピザ屋の窓ガラスは、店でアルバイトをしていたムーキーによって割られ、ついには激しい暴動に発展してしまう。
止める者あり、ただ呆然と見つめる者もあり…
人種同士の争いは、永久に終わることはないのだろうか。

映画のエンディングに流れる、キング牧師とマルコムX。2人の対照的な言葉が印象に残る。


人種差別に暴力で闘うのは、愚かな事である。
暴力は破滅に至る、らせん状の下り階段で“目には目を”の思想はすべてを盲人に導く。
暴力は敵の理解を求めず敵をはずかしめる。
暴力は愛ではなく、憎しみを糧とし、対話でなく独白しか存在しない社会を生む。
そして暴力は自らを滅ぼし、生き残った者の心には憎しみと、暴力を振るった者には残虐性を植えつける

<マーティン・ルーサー・キング>


アメリカには善人も多いが悪人も多い。
権力を手中に握り、我々の進む道を阻んでいるのは悪い奴らで、この状況を打破するために闘うのは我々の権力である。
私は暴力を擁護する者ではないが、自己防衛のための暴力を否定する者でもない。
自己防衛のための暴力は“暴力”ではなく、“知性”と呼ぶべきである。

<マルコムX>


暴力こそ悪の象徴であり恥ずかしいことと唱えるキング牧師。
その一方で、時には暴力は知性になりえると唱えたマルコムX。
2人の偉大なる指導者。
どちらの言葉を信じますか?

正しいことをせよ!

 
 


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コメント

 暴力は愚かなこと、何も益あるものを生まない。
だがしかし、世界の革命しかり、民族の独立しかり、権力闘争しかり、すべてが戦争という名の暴力を介在としてなし遂げてきたという歴史的事実は否めない。その事実は重い。

 ただし、人間の歴史も成熟化をなしとげ、今後はキング牧師路線が主流になってほしいものである。

投稿: リボンたん | 2007/02/28 21:50

黒人といえばラジカセなんですよね~

なんでだろうか~?

投稿: buru | 2007/02/28 22:07

>リボンたま

ばんわ~^^
そうですね。私も暴力からは怒りや憎しみしか生まれないと思います。
日本で生活していると、周囲は殆ど日本人が主流ですよね~だから私たちは当たり前のように日々過ごしています。
普段、肌の色なんて気にしないし日本人なんだって自己主張することもなく過ごしているわけです。
でもこの映画の彼らは、同じ国にいながら、国籍はアメリカでも、それぞれイタリア人だったりプエルトリコ人だったり…どうしてもお互いを意識せずにはいられないんでしょう。
だから何か問題が起きた時にとんでもない悲劇が生まれる…
被害者側(この言い方は適切ではないような気がしますが)が、怒りを抑制できない限り永遠にこういうことは続くんです…
またこの映画を観て改めて思ったのは、教育ってとても大事だなってことです。
人間性の教育。自己を高められるっていうか…
生きがいとか夢とか…何でもいいんですけど、何かひとつ自分の中で支えになるようなものがあったら、もっと変わるかもしれません…
環境によって人は変われると思うのです。
本当に嘆かわしいことですよね。


>buruたま

ばんわ~^^
なんか↑のコメント重くなっちゃいました・・・(´ヘ`;)
す、鋭い!
そ~なんですよね~
なんででしょうね(笑)
ヒップホップもラップも…
ラジカセで音楽ガンガンかけて…踊る。
また踊ってる彼らの姿が絵になるんですよねぇ。
彼らのリズム感(黒人の方でリズム感悪いひとなんておらんのかしらん?^^;)は凄いですね。
日本人の場合は、リズム(動き)というより静を大切にしそうなイメージですけど。
まぁ今は日本人のラッパーもいますからね~どうなんでしょうねぇ。

投稿: りざふぃ | 2007/02/28 23:12

ドウザレフトシング!
そんな左翼の人の本があります。
日本人のリズム感も捨てた物ではございません。

http://www.youtube.com/watch?v=f1Siyx6EJjE

投稿: TUE | 2007/03/01 06:32

>Tueさん

お~!彼らカッコイイですね(^0^)
最初は半信半疑(?)だったんですよ~
ごめんなさ~い。
tueさんを信用してないわけじゃないですよ^^;

ボーカルよりベース!
結構気に入ってしまいました(笑)
私バンドは特にそうなんですけど、音楽を聴くときはまずベースに耳が行くんです。ベースが下手なバンドもしくはドラムとの関係が(?)なバンドは基本的にダメです…耳が受付けません^^;
それにピックじゃなくって指で弾いているのも好感が持てますo(^v^)o

そうそう、関係ないですが、tueさんフリクションご存知です?(でしょうね? o(^v^)o )
チコヒゲ。
あの人好きです♪
昔10年以上前だったと思うのですが、何度かライブ観に行きました~
知り合いの知り合いなんです^^

投稿: りざふぃ | 2007/03/01 09:58

54-71
ベースの方が、リーダーで、
現在キーボードとトラムのトリオになっているようです.


チコヒゲさん、最近ソロ音源聴きました。
ライブですかーいいですね。

投稿: | 2007/03/01 10:43

>多分…tueさんね?^^;

ほ~今はトリオですか!
もっと彼らの曲が聴きたくなりました~♪
興味津々 o(^v^)o

チコヒゲさん。今も現役とはうれしいです♪
私より実はだんなの方がずっと詳しいです^^
私は直接は話とかしたことないですから…
ライブ。
え~っと十何年前かな???
下北沢でのライブ。確か群馬テレビ(?)が取材にきてたような気が…^^;
すごく憶えているのは、チコヒゲさんがパーカッション以外にもサックス弾いてて(これがまた滅茶苦茶カッコイイ!!もうホント最高~♪)で、当時の彼女(?)だと皆思っていたが・・・^^;キーボードベースのネエチャン♪
この人がまためちゃカッコよかったんです~(^0^)
ソロか~聴きたいなぁ。

投稿: りざふぃ | 2007/03/01 11:11

ソロ音源はたしか、
いろんな楽器演奏していました。
20年位前の音源ですけどね。

投稿:  tue | 2007/03/02 06:30

>tueさん

20年くらい前ですか~いいですね~^^
彼はホント凄いです。
あのエネルギーはどこから来るのかしらん。
カッコイイオヤジ(ってたら失礼かしらん)です!
Friction以外に思い出されるのは、Contortionsかしらん。
ウチにもCDあるはずなんだけど(ぶぅ・・・ダンナの私物)、どこへ行ったかな~?^^;

投稿: りざふぃ | 2007/03/02 09:29

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