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シベールの日曜日

SUNDAYS AND CYBELE
【1962年製作 フランス】( 116 min )

監督:セルジュ・ブールギニョン
出演者:ハーディー・クリューガー、パトリシア・ゴッジ、ニコール・クールセル


胸にジーンとくる映画です。
美しいモノクロの映像ですが、ラストがとても残酷で
私には忘れられない作品となりました。


※ネタバレ※

戦争のせいで心に大きな傷を負ってしまった青年ピエール。
彼を心から愛し献身的に尽くす女性マデレインでさえも、
彼の病んだ心を治すことは出来ない・・・

ピエール自身も葛藤している。
信頼のおける芸術家である友人カルロスは言う。


人々は仮面をつけている それを真実だと思うな

木は違う 忍耐強ければ何でも教えてくれる


いつものように駅で佇んでいたピエール。
シベールが父親に連れられて無理やり寄宿学校へ入れられる場面だ。
彼女は泣いている。母親に捨てられ、祖母も引き取ってはくれないという。
きっとこの時点で、彼女は敏感に察していたのだろう…
またひとりぼっちになってしまうと─。

初めて出会うピエールとシベール。
彼女の愛くるしい表情が、まるで天使のような微笑というのか…
印象に残る冒頭でのシーン。

偶然に巡り会ったとはいえ、一緒に行動するようになることは自然な流れなのだろう。
お互い“ひとりぼっち”だから。

彼女はフランソワーズと名乗っていて本当の名前を教えようとはしない。教会の上にある風見鶏をとってくれば教えてあげると無邪気に言う。

日曜日ごとに会う約束をする2人。
12歳と30歳。
傍から見れば親子にも見えたであろう。
ピエールも最初はこの少女を救うことで忌まわしい過去の記憶とは決別しようと心のどこかで思っていたに違いない。いつしか2人は友情以上の関係になっていく─。


祖母は占い師よ 私は魔法の短剣も磨いていたわ

柄が象牙製の鋭い短剣なの 

アフリカの魔術師はその短剣を木に刺して、

森の精霊の話を聞くの


そんな2人の関係だったが、長く続くはずもない。
周囲の大人たちの眼は冷たかった。
2人の想いが純粋であればある程に切なくなってくる…

ピエールを心から愛してやまないマデレイン。
彼女は可哀想な女性だ。
愛する者に愛されない─。
シベールとの関係は愛情以上のものなのか。
陰で見守りながら、2人を理解しようとするマデレイン。
またそんなマデレインに密かに想いをよせるベルナー。

悲劇はクリスマスにやってきた。

クリスマスの日にシベールと会う約束をしていたピエール。
ピエールがいないと取り乱すマデレイン。
彼女にはピエールが全てなのだ。
ベルナーに相談をするが、彼は警察に通報したと言う。


警察? あなたは何も分かってない

日曜の2人を見たの 幸せな子供だったわ

ピエールは犯人じゃない!


自分の慣習の外で幸せそうな人を見ると拒絶するの

美を認めないの? 私もそうだった・・・


マデレインが言う一連の台詞が鋭く胸に突き刺さる。

2人を待ち受けているのは…
結末が悲しすぎる。

シベールが初めて自分の名前を明かすシーン。


シベール 君の名だね とても美しい

「木々と大地の女神」古代の女神の名前なのよ

君を驚かせることがある


高さとの恐怖と闘いながら、教会の屋根へ風見鶏を取りにいくピエール。過去の記憶ともおさらばだ。
もうめまいはしない─。

ピエールが少女を襲うと間違われて射殺される。
動かなくなったピエールを見て号泣するシベール。
名前は?と聞かれて、“もう私には名前はないの”
衝撃のラストシーン。
私はきっと忘れることは出来ない。

 

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